今更聞けない!?映像ファイルとエンコード
こんにちは!映像制作会社VSQです。
Youtubeにアップする映像やスマホ・PC・ゲーム機などで再生できる映像を作るには”エンコード”をしなくてはいけません。
そうした”動画のエンコード”について分かりやすく解説します。
突然ですがこんな時、どうしますか?
・上司にパソコンで再生する為の映像データの変換を頼まれたけど、動画ファイルってよく分からない!
・友達と作ったムービーをYouTubeにアップロードしたい!
・カメラで撮影したペットの映像をMacbookで見れるデータで渡したい!
完成した映像の変換(エンコード)作業をする際になんとなく設定して書き出していませんか?
エンコード作業をする際の基本と気を付けたいポイントを簡単にまとめてみました。
動画ファイルの仕組み
動画は1秒間にたくさんの画像を切り替えることで「動いてるように見せる」、パラパラ漫画のようなものです。それらを格納する受け皿を“ファイル形式”あるいは”コンテナ”と呼んでいます。
(.mov,.wmv,.mp4,.mpgなど)
動画はたくさんの画像を使うので、ファイルサイズがとても大きなものとなりますが、”あるルール”に則って圧縮することでファイルサイズを抑えることが出来ます。
その”ルール”というのがコーデックと呼ばれているもので映像変換する上で重要な要素になります。
エンコード・デコード
エンコードとはデータを「符号化する」という意味を持ちます。変換のことですね。
例えば「ABABABAB」というABが連続するようなデータがあります。
これに「AB」に対して「1」というルールを与えてあげます。
データの方はこれで「1111」と表せるようになります。
結果、8文字から4文字へ“文字量が減る”=”データ容量を減らす”ことができました。
データ容量を少なくすることを目的にエンコードをしていることも多いので「圧縮」とも呼ばれます。
逆にエンコード(符号化)されたデータを元のデータに戻すことをデコード(復号化)といいます。
符号化されたデータはその規則性について記録したルールが分からなければ戻すことができません。
先程の「1111」というデータも、「1=AB」と分かっていなければ「ABABABAB」に戻せません。
エンコードされたファイルを読み取るためには、圧縮に使った仕組みを理解している「デコーダー」が必要になります。
「エンコード・デコード」の両方を行えるプログラムを、encode(エンコード)のcodeとdecode(デコード)のdecを取って、codec(コーデック)と呼びます。
※再生機器はこの仕組みに対応していないと映像を読み取ったり再生したりすることができません。
なので再生用の機器やアプリの説明部分には、必ず対応しているファイル形式(またはコーデック)が明記されています。
とりあえず再生できるように
映像がより身近になった近年ではファイル形式もコーデックもたくさんあります。
そんな中で自分の目的に合った組み合わせを探すのは多少の知識が必要です。
また普段から、映像に携わる事がなければこれらの良し悪しなど判別がつきません。
今回、文頭で3つ例を挙げました。
・上司にパソコンで再生する為の映像データの変換を頼まれたけど、動画ファイルってよく分からない!
・友達と作ったムービーをYouTubeにアップロードしたい!
・カメラで撮影したペットの映像をMacbookで見れるデータで渡したい!
これらを一発で解決する魔法の組み合わせがあります。
図の構成をみてください
・映像コーデック H.264
・音声コーデック AAC-LC(ソフトによってはAAC)
・ファイル形式 .mp4
この組み合わせで変換した映像データは、
“高圧縮”で“高画質”、再生に適した形の動画ファイルになります。
h.264コーデックさえ入っていればWindows・MacなどのOSに左右されず、
圧縮率も高いのでファイルサイズも抑えられてデータの受け渡しもしやすくなります。
YouTube・ニコニコ動画・Vimeo、これら動画サイトの共通推奨設定でもあります。
(細かい部分の指定はそれぞれでありますが…)
迷った時はとりあえず、この組み合わせで変換してみてください。
h.264とh.265どっちが良いの?
h.265というコーデックがあります。
なんとh.264よりさらに圧縮率を高めたもの(ファイルサイズの軽量化)で、
さらに保持できるフレームレートや解像度、色情報もよりパワーアップした新しいコーデックになります。
(実はh.266もあるんですが、割愛します)
上に書いただけでも優れたコーデックですが、使い所を考えなければいけません。
h.265の映像を視聴するにはやはりコーデック対応した機器が必要になります。
h.265で変換した映像が表示されない!といったトラブルに直面する可能性があります。
自身で楽しむ映像であれば良いのですが、人に渡す映像データの場合は注意が必要です。
特にh.265を使わないといけない場面でない限りは、まだしばらくはh.264を選択する方が安全です。