- 3年前
- 現在
天職を見つけた
-キッカケは『大学生の時に見たTV』-
キッカケは大学生の時に見たTVカメラマンを特集したドキュメンタリー番組でした。
番組を見てカメラマンという職業に惹きつけられたと同時期に、
撮影中のTV局のクルーを実際に目にすることがあって、その仕事ぶりがカッコよかったんですね。
TV業界に興味を抱き、カメラマンになりたい、と志すようになりました。
求人誌をめくって、なにかその道に繋がるバイトがないだろうかと探し、舞台撮影の求人を見つけて飛びこみました。
そこで1年ほど経験を積んでいく中で、カメラマンになりたいという気持ちは一層高まりました。
撮影するのが楽しかったし、もっと色々なものを撮りたいと思うようになったからです。
『番組だったりCMだったり色々なコンテンツの撮影現場がある会社で働きたい』
そう思って入社したのですが、カメラマン志望である僕の最初の配属先はCM部でした。
思い描いた通りではないですが、結果としてここでの経験は後にすごく活きてきます。
ハード&ソフト
-念願のカメラマンに-
4ヶ月ほどCM部で経験を積んだ後、技術部に配属。
念願のカメラマンになれる部署です。
まずはハード面としてカメラをはじめ、レンズ、三脚、照明、マイク、etc..
各機材の知識はもちろんながらその特性・操作方法を勉強しなければなりません。
カメラや機材はメーカー等が変われば操作性も変わるので、修得はほぼゼロからのスタートです。
そしてソフト面。
人物をどのくらいのサイズ感で撮るのか、画面に背景をどれ位の割合で入れるのか、俯瞰(ふかん)で撮るか、見上げて撮るか、ボケ足をどれくらい出すのか、同じシーンでも撮り方によって画のイメージってずいぶん変わるんです。
バイトで舞台撮影していた頃はある程度「こう撮ればいい」
「こうしておけば間違いはない」と決まりごとはあったのですが、VSQの現場は違う。
番組もCMも、その作品が伝えたいことを、現場で生まれる空気感などを汲み取って撮る画に込めなければなりません。
こうした感性的であり、かつ個性が出るところがソフト面です。ハードはまさに技術で、勉強と練習をすれば身につきます。
ソフトはとてもクリエイティブで、先輩の撮り方や色々な作品を「どういう意図なんだろう」と意識して見ると幅が拡がります。
CMの現場だと商品の魅力を出すためにこういう撮り方してたな、という経験もソフトを鍛えるのに役立ってます。
セオリーの外側へ
-一流の技術-
担当している情報番組の撮影でも「こう撮っておけば間違いはない」という、セオリーのようなものはあるんです。
ただVSQの先輩方は、よりメッセージが伝わるようにと、カメラに難しい動きを付ける。
それが生放送であってもやれてしまう。
例えばロケである野球選手を取材した時、
構成通りなら、ただ練習風景を撮っておけばよかったのですが、
その選手が故障明けであるという背景から、
その悔しそうな表情が撮れるまでねばる。といったような事です。
僕はまだ、ハードもソフトもそういったことができるレベルにまだ達していません。
いずれ一流のハードを身につけたうえで、自分というソフトを活かした画を撮るのが現在の目標です。
お金を出しても見られないようなもの。
テレビでないと見られないようなもの。
セオリーの外にあるもの。
大学生の時に見たドキュメンタリー番組のような人間模様を撮って視聴者の心を揺さぶりたいですね。
僕がカメラマンを志したように。
1 day schedule
7:30
カメラ調整
8:40
打ち合わせ、リハーサル
ももち浜ストア 撮影
11:15
昼休憩
13:00
自主練習
15:00
打ち合わせ、リハーサル
ももち浜S特報ライブ 撮影
19:00
片づけ、翌日準備
19:30
お疲れ様でした
Gallery
My Works
-現在の仕事内容を教えてください-
■カメラアシスタントからメインカメラマンへ
テレビ西日本「ももち浜ストア」の中継やロケ現場、「匠の蔵」や「マニアマニエラ」といった番組、DAZNのJリーグ中継等でカメラを担当しています。
入社時と違い、今はアシスタントではなく、メインのカメラマンとして仕事をしています。
まだまだ一本立ちへのチャンスをもらっている所だと思っています。
不安と喜びとが半分半分で、毎日反省の日々です。
カメラの操作や良い映像を撮影することも勿論重要なんですけど、ロケの進行や現場の雰囲気作りも同時に考えなければなりません。ディレクターや出演してくださる方とのコミュニケーションも大切です。
撮影技術はあって当たり前で、番組の完成形をできるだけイメージして、「最終的にこうなるからこんな映像が要る」というのを自分なりにその場で判断しながら撮影します。
だからカメラの調整は体が無意識に反応するくらいでないといけません。
■必ずやる事
自分が撮影した番組は録画して少なくとも2回は見ていますね。
後で見ると、やっぱり感覚のズレがあるんですよね。
現場で丁寧に撮っているつもりでも雑だったり、画角などの画作りの面で『視聴者は見やすかったかな?』とか改めて見ると気付く事が沢山あるんです。
先輩に聞きに行くこともあります。たまにほめてもらえるとすごく自信になります。
「撮影のテンポよかったよ」とか声をかけてもらえると、次のステップを考えられるんですよね。
My Growth
-入社後、成長したなぁと感じる点は?-
■撮影テクニックとセット
そういった技術以外の領域の奥深さに気付いた所です。
撮影技術は入口の入り口。
ハードとソフトの両立が絶対に大事と思うようになりました。
例えばいくら技術的にズーム撮影が上手くできたとしても、番組で見せたいポイントとズレていたらそれは全然ダメなんですよ。
自分は現場にいるので理解できるけど、初めて見る視聴者の方が理解できるかどうか、ちゃんと伝わるかはいつも考えます。
自己満足に陥らないようにしないといけません。
「伝えるため」に画面の切り取り方やテンポといった技術面が必要となってくる。
そういったことが理解できるようになりました。
だから、今は成長しなくてはと思うことが多すぎてまだまだ(笑)
This was HARD
-これまで苦しかった時期・大変だった事はどんな事ですか?-
■「今日はこの画を撮る!」
同じような話かもしれませんが、取材の本質、何が一番大切な事かを掴むことはいつも大変ですね。
入社した頃はあまりその事に意識がありませんでした。
色々な映像をただ単純に格好良いなって見てました。
でも一つ一つの映像にちゃんと意味があるんです。
取材や演出の意図を理解できているか、その上で撮るモノは決まっているか。
「今日はこういう話をしたいから、この画を撮る!」みたいな。
一枚一枚に理由があって、みんな必死に考えながら撮っている。
センスだけでやっていける仕事じゃないと思います。
先輩の映像を見たりして研究しますが、皆発想が凄いです。
シチュエーションに応じて、こんな撮り方があったのか、そんな事を考えなきゃいけなかったのかと気付かされます。
プレッシャーが大きくて、逃げだしたいなと思った事もいっぱいありますよ。
緊張するタイプなんで、本番になると上手くいかないなという時があります(笑)
Future goals
-将来の目標を教えてください-
■『カメラマン』になりたい
そんな色々ひっくるめて「カメラマン」になりたい。
そういう意味では、まだまだ「カメラマン」じゃないですね。
役割としてはそうだけど、自分が思う「カメラマン」じゃない。
終わりがない世界だと思うけど「カメラマン」になりたい。ずっとそうでありたいんです。
自分が悩んでいる時に支えてくれた人、先輩がいるので、自分もそういう人になりたいです。
みんな優しいんですよね。
怒るんですけど、怒りっぱなしにしないというか…フォローしてくれる。
食事に連れて行ってくれたり、ロケの帰りに相談に乗ってくれたり。
入社した時は「ドキュメンタリー」の撮影が目標で。
それは機会があればって今も思っています。
ドキュメンタリーこそ相手の気持ちを汲み取れないといけないので、今はまだ早いのかなと思っています。日常的な風景を撮影してみたいんですよ。
例えば、昔ながらの居酒屋でがお客さん触れあっている感じとか。いつも常連さんがわいわいやってて。
多分、僕にはまだ早いんですよね。だから逆に今はまだ手を出したくない(笑)
今はとにかく目の前の仕事を一つ一つ全力でやっています。
Weekly & Time schedule
Advice for students
-就活生になにかアドバイスをください-
■“撮って喜ばせたい”という気持ち
カメラを触ったことが無くても、機材を触ったことが無くても大丈夫。
むしろ変に知識が無い方が良いかもしれません。多分、その知識間違っているので(笑)
技術も知識も入ってからでいいので、自分が撮影した映像を見てもらいたいという気持ちがあれば十分だと思います。
視聴者と取材先に喜んでもらいたいという気持ちが大事です。
僕は、学生の時舞台撮影のアルバイトをしていたのですが、その時もそれが一番嬉しかったんですね。
親御さんに、子どものバレエダンス発表会の記録を渡したりすると凄く喜んでくれて。
それはプロとして仕事をしている今でも変わりません。
同時に「自分の映像が公共の電波に乗っている、何百万人の人が見てる」っていう責任感も感じられるやりがいある仕事だと思います。
ぜひ挑戦してほしいです。
※インタビュー内容・役職・担当等は取材当時のものです。